外壁の種類とメンテナンスについて
2021.09.08
日本の住宅に使われている主な外壁材は大きく分けると、「サイディング」「モルタル」「タイル」「ALC」の4種類です。それぞれ特徴があり、メンテナンス方法も違っています。
最近の新築戸建住宅では、サイディングが選ばれることが最も多く、その次にモルタルが選ばれています。
■サイディング
サイディングとは外壁の仕上用の板材のことで、ざっくりいうと外壁に貼り付けて使うパネルのようなものです。
以前に主流だったモルタルに比べ、施工が簡単で軽いので耐震性もあり、現在の主流になりました。サイディングボード自体は工場生産のため、品質も安定していて、工期も短く済みます。
サイディングにも素材別に種類があり、窯業系・金属系・木質系・樹脂系に分かれています。中でも圧倒的なシェアを誇るのが「窯業系サイディング」で、最近の新築戸建住宅の80%弱に使われています。
〇窯業系サイディング
窯業(ようぎょう)系サイディングの原料はセメントと木質系の繊維質で、板状に成型・加工したものです。様々な形や色にできるのでバリエーションが多くデザイン性にも優れています。
メンテナンスについては、8~10年周期で塗装・シーリング工事が必要です。
※シーリングとはボードとボードの隙間を埋め、水の侵入を防ぐためのものです。
〇金属系サイディング
ガルバリウム鋼板やアルミニウム・鉄などの金属を成形・加工し、断熱材をつけたものです。窯業系サイディングに次いで、新築戸建住宅では10%ほどのシェアがあり、軽いので、重ね張りなどリフォームでも使われています。
メンテナンスについては10~15年周期で塗装・シーリング工事が必要です。
金属なのでサビが発生することもあり、その場合は早めのメンテナンスが必要です。
〇その他のサイディング
他にも、木質系サイディングや樹脂系サイディングなどがあり、特に木質系サイディングは近年、金属系や窯業系と組み合わせて使われることが多いです。
■モルタル
モルタルは昔からよく使われている外壁材で、現在は新築戸建物件の約6%で選択されています。主原料はセメントと砂で、塗装によって仕上げられます。防火性が高く、曲線なども表現しやすいためデザイン性にも優れています。
メンテナンスについては、8~10年周期で塗装・シーリング工事が必要です。
ひび割れも発生しやすいのでその場合は雨漏りなど注意が必要です。
■ALC
ALCは軽量気泡コンクリートと呼ばれるもので、その名の通り軽くて耐震性に優れていて断熱効果も高いのが特徴です。ざっくりいうと、軽量化したコンクリートパネルです。
ALCには多くの気泡が入っているので、水分が浸透しやすいといったデメリットがあります。そのため塗装によって防水性を保たなければなりません。
メンテナンスについては10年周期で塗装・シーリング工事が必要です。
ALCは継ぎ目が多く、シーリング部分が多いのでこまめな点検が必要です。
■タイル
タイルは耐久性が高く、メンテナンス回数が少なくて済むのが特徴です。初期費用が高額なので、あまり多くは見かけません。
主原料は粘土を板状にして焼き固められたものです。タイル自体は傷や汚れがつきにくく、耐久性が高いですが、目地に使われているシーリングやモルタルはメンテナンスが必要です。
メンテナンスについては10年周期で目地などのシーリング工事が必要です。
その他、タイルがひび割れていたり、浮いていたりすると都度補修が必要です。
■最後に
以上、ざっくりではありますが外壁の特徴とメンテナンスについてでした。外壁の素材については、サイディングボードの進化により、タイルと区別がつきにくいものもあります。
そろそろメンテナンスが必要だと感じておられましたらお気軽にお問い合わせください。
外壁専門のプロがお家に合ったメンテナンス方法を提案させていただきます。