塗装工事
下地について

劣化・不具合現象は美観を損なうばかりでなく躯体の老朽化につながる危険信号です。 このような現象が気になりだしたら、塗り替え計画したり実施する時期です。
下地修理工事
劣化・不具合現象 | 現象によって予想される問題点 | 必要な工事内容 |
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1.鉄筋発錆によるコンクリート、モルタルの欠落 2.パネルのワレ |
躯体、建物の強度劣化 | 劣化したコンクリートを除去し、露出鉄筋の防錆処理を行ってから、浸透性の処理剤で周囲の劣化進行を防止した後カチオンケイモルで埋める。 |
下地モルタルの大幅な浮き、剥離 | 剥離による落下の危険 | ハツリによりモルタルを除去してから、カチオンケイモルで充填修復する。 |
下地モルタルの浮き | 水まわりの原因になり、建物の劣化につながる。浮きが進むと剥離による落下の危険も伴い、また当然躯体を損なうことになる。 | エポキシ樹脂注入による点着工事などを行う。 |
ひび割れ | コールドジョイントや窓まわりなどに発生する大きく深いひび割れや、躯体表面に発生する細かいひび割れも建物劣化につながる。 | ・0.5mm以下の小さなひび割れはカチオン性アクリルポリマーセメントフィラーや注入用樹脂で補修する。 ・0.5mm以上の大きなひび割れは躯体深部まで届いているケースが多いので、Uカットにる充填工事など必要に応じた処理を行う。 ・弾性系仕上材での改修の場合1.0mm以上の大きなひび割れは、Uカット処理を行い、シーリング材を充填する。 |
下地調整工事
劣化・不具合現象 | 現象によって予想される問題点 | 必要な工事内容 |
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劣化膜の除去、清掃(水洗) | ・残したまま塗装すると劣化膜(死膜)の付着が弱く剥離につながる。 ・汚れのニジミが出る。 |
旧塗膜の粉化、浮き、割れ、剥がれなど劣化膜はケレン工具、場合によっては電動工具を用い十分に除去する。(ひび割れの周辺、換気扇周りの汚れに注意する。)その後、加圧水洗により汚れを除去し十分に乾燥させる。 |
・水洗いできない外壁部の劣化膜の除去、清掃 ・階段室など内部壁の劣化膜除去、清掃 |
・残したまま塗装すると塗り替え塗膜の付着が弱く剥離につながる。 ・汚れのニジミが出る。 |
旧塗膜の粉化、浮き、割れ、剥がれなど劣化膜はケレン工具、場合によっては電動工具を用い十分に除去する。その後、ホウキ、ブラシ、ウエスを用いて面を清掃する。可能なら面の清掃を圧縮空気噴射(エアーブロー)で行うと更に良い。 |
鉄部のサビ・劣化膜の除去、清掃(手摺、面格子、鉄扉など) | サビが進行し、鉄が折れたり、穴があいたりする。 | サビや旧塗膜の浮き、割れ、剥がれなどをケレン工具、場合によっては電動工具を用いて十分に除去する。また、旧塗膜は紙ズリ(サンドペーパー)をし、その後よく清掃する。必要によって溶剤拭きを行う。 |
段差修正及びパターン修復 | 旧塗膜の剥離箇所や、補修部位は仕上がり塗膜の美観精度が低い。 | 仕上がりの塗膜の美観精度を高めるため、旧塗膜が剥離した面は塗装する前、旧塗膜に近い塗膜状態まで模様を揃えておく。 |